経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

人を大きく包みながら進んでいける自分自身と組織でありたい
好きな歴史上の人物を教えてください
新渡戸稲造

(農学者、農政家、法学者、教育家。農学、法学、哲学の博士号を持つ。「武士道」の著者、旧五千円札の肖像画の人物としても有名。台湾総督府技師として台湾の殖産に携わり功績を挙げる。また国際連盟事務次長として国際的に活躍した。教育にも深く携わり多くの学校の教職を歴任し多数の啓蒙書を著す。)

明治時代の日本が西洋諸国を目指して大きな変革を遂げようとするときに出てきた人で、英語が堪能、奥様も外国の方なんですね。そういった中で、日本人のプライド・武士のプライドを失わずに、世界の中で日本人がどういうふうに生きていくか、ということを『武士道』の中で書かれていました。大学院の頃に読んだんですが、その中から伝わる空気というか、精神的な部分でこうありたいな、と感じました。自分のルーツ、日本人としての文化といったものをしっかり受け継ぎながら、新しい世界で、媚びるでなく臆するでなく、自信を持って前へ出て行くという。私自身もそんなプライドを大切にしたいし、共鳴する部分です。ただ昔以上に今は、もっと大きな我を持ちたいというか、自分だけが前に出て行くのではなくて、他の人も包んでいきながら一緒に前に進めるような自分でありたいと思います。理想ですけどね。
座右の書・感銘を受けた本を教えてください
彩雲国物語

雪乃紗衣、由羅カイリ

アニメでしか見ていないので、書でも本でもないんですが。すごく良く出来てるなあって。イケメンがいっぱい出てるわ、とかそんなことだけじゃなくてね。政治の話なんですけど、企業も同じだなあと思えて、面白いですね。ストーリーの展開が変わった時も、そっちへ来たか、と妙に納得したりします。例えばそれまでのストーリーの中心にいた人達とは違う役割の人達にスポットが当たった時とか。国家権力を動かしている、政策の裏側の部分が出てきたりすると、1つの国が動くっていうのにはこんな機能や組織があるんだな、とかね。それまで主人公が頑張っていたことで、プラスに捉えられて称賛されていたことが、裏側で国を守っている人にすれば浅はかだったり、目の前のことしか見えてないということだったり…というのが実はこの前の回の話だったんですけど。枠組みは大きいし、奥も深いし、全体の構成力、辻褄の合い方、この作家すごいわって、本当に感心します。思想書や啓発本、HOW TO本と、本は色々読みますけど、マンガもとても面白いし、勉強になりますね。
習慣としていることを教えてください
(感情を含め)自分を客観的に見ること。前向きで楽観的であること。
経営者って客観的じゃないと務まらないと思うんですよね。主観で行動する、物事を発するボスなんて私、嫌ですよ。そんな人について行こうと思いませんもん。普通に接しててロボットみたいに冷たいのは嫌ですけど、客観的に見るって、やっぱりいざ自分で何かを創り出そうとしたときには責任というか、最低限必要な資質だと思ってるんです。会社を辞めて自分で、というのが気持ちの中に芽生え始めたとき、その判断については責任も伴うわけですから、本当にそれでいいのかな?大丈夫かな?と色んな観点から吟味して捉えようとする、客観的に自分を見るような習慣がおのずとついてきたと思います。
楽観的にというのは、私は子供の頃からわりと物事を深く考えすぎるところがあるので。でも物事は因果関係だと思うんですね。勉強したらテストでいい点とれるのと同じことで、人に対しても発する言葉や接し方でその結果は変わってきます。だとすると、そんなに重く深刻に考えるよりも、明るく楽観的に考えた方が絶対いいですよね。
生き方・考え方に影響を与えていると思う出会い、言葉を教えてください
「そろそろ、今までみんなから受けた恩、倍にしてお返しせな!」

創業を決めたとき、色々とアドバイスをくれた社長さんに言われた言葉

これ、よく言われるんですよ。大学院の指導教官にも、修了のときに同じことを言われました。今まで勉強する立場で社会からいっぱい与えられてきたけれども、これからは還元することを考えて、と。でもそのときは実際に腹に落ちていなかったなあと思います。今回の創業に当たって、知り合いの社長さんからご自身の体験を踏まえてたくさんのアドバイスを頂いたんですが、そのときにこの言葉を言われて、ちょっと考えさせられました。やはり不安もあったんですが、がんばろう!という気持ちになれましたね。
他にも、今この瞬間を生きるということ。思いは現実化すること。目の前の事は自分の内面を映し出す鏡であること。これらの事を、今まで出会った恩師や書物から教わりました。
くじけそうになるとき、背中からドンと押してくれる、私にとって大事な言葉たちです。
最後に京都という地で事業を展開してよかったこと、大変だったことを教えてください
伝統を大事にして、先進的な気風も持ち合わせている、そんな空気が心地よい
ありふれてるけど、そう思います。京都の様々な企業の方とお付き合いさせて頂いていても、その発想は勉強になります。京都の伝統を大事にして、そこをアピールするのと同時に、外に出て行こう、外から取り入れていこうという気風もあって、新しい物に対しての恐れがないんですね。そうして成長していこうとされている企業様に対し、システムのご提案を通してより一層の発展をサポートしていく、というのがビジネスポートの理念です。それが京都の気風と一致しているし、刺激を受けますよね。東京と違って新しいものばかり、じゃなくて、落ち着いて、地に足をつけた状態で新しい物を見れるんです。
あと、大きな企業だけじゃなくて、京都では室町だとか錦だとか、他の地方だったらとっくにシャッターを降ろしてるような、昔からの商店街がすごく元気で面白いでしょ。お豆腐屋さんのアイスだとか、カルパッチョを歩きながら食べられたりだとか。ああいうものを生み出そうという気風、前に行こうとするエネルギーを、京都にはとても感じるんですよね。あがいてるのではなくて、革新的で、魅力があって…。素晴らしいと思います。
(記載内容は2007年10月時点における情報です)