大学でアーチェリーをやっててね。一番いいときには日本ランキングで16位ぐらいかな。自分みたいに別にそれほど能力のない人間でも全日本の試合まで出られたんだから、能力のある人材を見つけてトレーニングすれば世界なんて簡単に行けると思う。要は練習の仕方ですよね。スポーツは心と技術と体力やから、それぞれの要素をどうトレーニングしていくか。アーチェリーというのは点数競技で、全日本の試合に出るためには何点必要かというのが目標になる。そしてその何点を出すためには何が必要なのかって…。
スポーツも経営も全て一緒。製造業の世界でもマン・マシーン・マテリアル、いわゆる3Mとかあるしね。どんな世界でも物事には要素というものがあるから、その要素一つ一つにどう取り組んでいくか。例えばどんな企画を立てるにしても、また人生でいえば結婚するなんてことにしても、誰もがそうやって考えて行動してる。あとはその応用の仕方で結果に違いが出てくるんやと思う。
「こうなりたい」と思えば結果はちゃんと開けるってね。でもこれは、実際に自分でやったり、実感したことのない人に言っても本当にはわからないんじゃないかな。いくら言ったって理解できない。「そんなばかなことはない」と思うからね、普通は。
ただ成功した経営者に話を聞くと、京セラの稲盛さんにしろ日本電産の永守さんにしろ、表現は違えどみんな「念ずれば花ひらく」と言ってる。「ほな、だまされたと思ってやってみよう」とそのままやってみたら、うちの会社は上手くいった。「航空機部品で成長するんや」と言い続けたら、本当にこうやって成長できた。
その後も多くの人の経営や成功に関する本を読んだり話を聞いたりしたけど、言ってることは一緒だと思う。後はそれを「やってみよう」と本気で思えるかどうか。信じないと念じ続けることはできないですからね。
年齢 | 54歳(1953年5月生) |
社長就任 | 1988年10月 |
就任経緯 | 家業後継 |
出身地 | 京都府 |
出身学校 | 京都産業大学 |
専攻 | 経営学部 |
趣味 | スキー |
会社名 | 旭金属工業株式会社 |
業務内容 | 航空・宇宙機器部品の製造 |
創業 | 1948年6月 |
設立 | 1948年6月 |
従業員数 | 236名 |
売上高 | 30億6800万円 (2006年8月実績) |
会社HP | http://www.akg.co.jp/kougyou/ |
社長になったのが32歳。早く経営者として一人前になりたくて、研修会や経営者の集まりには片っ端から足を運んだなあ。そこで多くの成功者、有名な経営者の話を聞いて、言ってることはみんな大体共通していると思った。「ターゲットを明確に決めれば、自然と道が開ける」ってね。いろんな人がそういうやり方で成功してる。自分で「なりたい」「なれる」と言えばなれるって、それだけの話なんやけど。経営の本質だと思いますね。