経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

評価は他人がするもの自分を決め付けず自然体でいたい
好きな歴史上の人物を教えてください
特になし
昔、山口県の萩にいましたから、その土地の影響は受けてると思います。萩と言えば明治維新の頃、たくさんの傑出した人を出しているところ。吉田松陰、高杉晋作、桂小五郎、山県有朋…。そうそうたるメンバーを輩出しているわけですからね。高校に通っている間にもそういう人たちの話はよく聞きました。だから誰が好き、というのはないんです。とにかく町そのものに歴史的な雰囲気がありました。当時萩では相手のことを「おぬし」と呼んでいましてね。はじめはもうびっくりして。そんな武士の言葉がまだ普通に使われてたんです。そんな風土の中で3年間過ごしたわけで、誰か特定の人物というよりは、偉大な人物達の考え方やその気概を受け継いだ、この土地の影響をごく自然に受けたのかなあ、という気がします。ギラギラと「トップになるために」というのではなく、自分自身を鍛え力を蓄えることで、チャンスが来たときには自然とそれが迎えられる。周囲もそこで私という人間を認めてくれる…。そうでないと人はついてこないし、大きなことはできないと思います。萩では、自然とそんなことを学んだ気がしますね。
座右の書・感銘を受けた本を教えてください
名将言行録 乱世を生き抜く智恵

谷沢 永一、渡部 昇一著

戦国時代の大名や名将たちの言葉を集めた本です。『名将言行録』というのはもともと全70巻ぐらいあって、とてもじゃないけど私は読めません。その中から抜粋して分かりやすく現代的に解釈を施してあるのがこの本でしてね。考え方だとか、人の使い方だとか、面白いなあ、と思います。例えば真田昌幸の話。あるとき息子の幸村に、お前の名前では通用しないぞ、と言ったんですね。自分が兵を起こして出れば敵はそれだけでも警戒する、お前の名前で出ても向こうは何も感じない、と。名前というのはつまり実績ですよ。なによりまずは実績を積んで周囲に認められなければ、その力を十分に発揮することはできないということなんでしょうね。
じゃあこういったことを経営に活かしているかといえば、そうも思いません。意識してやって、それがうまくいくなんてこと、あまりないと思うんですね。自分の中に蓄えたものが無意識のうちに発揮される、ということの方が多いと思います。それを人が評価してくれる。「こんな評価を得よう」と力んでも、結局評価するのは皆さんなんです。だから意識したってしょうがない。僕は案外、自然体に生きてるんですよ。
習慣としていることを教えてください
継続していることは特にない
例えば、睡眠時間を十分に摂るようにしているとか、そういうのはあります。でもね、人間意識している事もあればしていない事もある。意識できる時もあればできない時もある。習慣と言われて、そんな風に意識していることって特に無いんですよね。自分の行動を細かく決めてそのとおりにやろうとは思いません。会社の経営も一緒じゃないですかね。僕は自分では、任せられることは全部任せてる。社員にしてみたら細かいなあと思ってるかもしれないし、それこそもう人の評価でしかないんだけれども、やりたいことがあったらやらせていく、そういうタイプだと自分では思ってるんです。もちろん経営者ですから肝心なところではビシッと釘を刺しますけどね。でも人間、全てのことに興味を持てるわけではないし、全てのことに答えが出せるわけじゃないでしょ。だから自然に任せる。人に任せる。それが僕のやり方なんですよね。
生き方・考え方に影響を与えていると思う出会い、言葉を教えてください
父親、出会った全ての人
父と一緒に暮らしたのは中学の時までなんです。その後は親元を離れましたから、会っても1年に1度くらい。でもその短い間で、父の生き様というか、父の考え方というのは私の人生に大きく影響を与えていると思います。決してうちの父が立派な人間だったとは言いませんが、とても几帳面な人でした。間違ったことはしなかったし、真面目に生きていましたよ。例えば私の中には革新的な自分と保守的な自分がいて、もちろん誰もが両方持ち合わせていると思うんですが、特に守りに入ったときなんかにはふと父の考え方や見方を感じます。ああ、似てるなあ、と。父だけじゃなくて、その後もいろんな人と出会って、その都度いろんな考え方を学ばせてもらっています。社員から学ばせてもらうってこともよくあります。社員の前ではなかなか言いにくいんですけどね。そういう積み重ねの上に今の私があるんだと思いますよ。だから私はいろんな面を持っているし、その方が面白い。人間の魅力ってそんなもんじゃないでしょうかね。
最後に京都という地で事業を展開してよかったこと、大変だったことを教えてください
今こうやって事業をさせていただいていることに感謝している
良かったこと、大変だったことというのは別段無いんですよ。たまたま京都にビジネスチャンスがあって、今も事業をさせていただいています。私の子供もここで生まれ育っているし、うちの会社も成長させていただきました。だからこの地に感謝はしています。ただ私自身、まだまだいろんなことをやっていきたいし、社員の中で「こんなことがやりたい」というのがあればどんどんチャンスを与えたい。今うちのビジネスエリアは大阪、滋賀、奈良と、京都を拠点に関西全域に拡がっていますし、海外も視野に入れて事業を進めています。京都だけにおさまらず、チャンスがあればどんどん展開していきたいですね。
    
(記載内容は2007年10月時点における情報です)