経営者の生き方から自分を活かす働き方発見・学びサイト「CEO-KYOTO」

建築業をサービス業に変えていくイノヴェイターとして生きていく
建築に携わる家族や親戚が多い建築一家に生まれたため、建築は常に身近なものだった。大学では服飾デザインを専攻するが、在学中に始めた飲食店でのアルバイトに没頭。商売のあり方、接客業のあり方を学ぶ。その間、知人のデザイナーに誘われて店舗設計のサポートを経験し、今度は自らの手で店舗設計、建築をしたいと思うようになる。卒業後、設計事務所などのいくつかの職場を経て、設備工事業を営む兄を手伝うように。33歳で独立を決意すると、1件の顧客資産も持たずに一人で工事業を始めた。顧客の要望に応えていくうち、飲食業や設計事務所等での経験を活かして、飲食店舗デザインやリフォーム等の仕事も請け負うようになる。それが顧客の評価を得、案件数、規模共に大きくなってきたことから、2002年に法人化。従来の建築業のあり方にとらわれず、あくまで建築サービスという観点から顧客と向き合う姿勢を貫いている。

経営者を読み解く8つの質問

経営トップになってそれまでと変わったことは何ですか
一人でやっているときとの違いを実感するようになったこと
僕自身については変わったことというのはあまり無いですね。ただ、どうやってスタッフを育てていくか、そこが一番の悩みにもなり、一番のやりがいにもなりました。もともと一人で起業してやってましたから、今でもそうですけど四六時中仕事のことを考えていたし、自分の仕事については全てに目が行き届きます。だから成功の確率だって高いわけです。でもそれをチームでやりだすと、やっぱり失敗することもある。そういうリスクも織り込んだ上でのビジネスモデルを考えていかなあかんなあ、と考えるようにもなりました。お客様に対して何かをお伝えしようとしたときでも、スタッフを挟むことで余計な誤解を与えてしまったりすることがあるし、組織でやってる以上、誰かが起こしたことは他の誰かが必ずまた起こします。失敗もそうだし、成功だってそうですよね。だとすればその体験をちゃんと伝えていかないといけません。より伝わりやすい方法、表現を使わないとダメなんやな、と実感していますね。
もし、経営者になっていなかったらどんなお仕事をされていますか
京都でNO.1のバーテンを目指していた
学生の頃から始めたアルバイトでは色んな飲食店で働いたんですが、しばらくバーテンをやっていて、これがとにかく面白くてもう最高でした。バーテンは、一挙手一投足まで見られている環境のなかで、お客様が求める“完璧”を常に上回らないといけません。それは単なるカッコじゃなくて、内面からにじみ出てくるもの。教養みたいなものがないと、それこそカッコ悪いんですよね。会話とか振る舞いとか、もちろんカクテルの味とか、一流のサービスが出来る人を見ていると、かなりの本を読んでかなりの勉強をして、かなりの自信を持って対応してはるんやろな、と思います。そのくらいお客様との間には濃密な時間が流れているし、最後に送りだすまで一瞬たりとも気が抜けないんです。それが醍醐味でしたし、だからこそ「ありがとう」って言われると本当に嬉しかった。全ての仕事に通じることでしょうし、この頃の経験が今の自分の仕事のベースになっているのかなあ、と思います。
好きな言葉・座右の銘を教えてください
人生これ冒険なり

友人の言葉

20代前半の頃はとにかく思い切り遊びましたし、さんざん悪戯もしました。仲間の中でもオピニオンリーダーだったし、何をしでかすか分からないタイプだということで、“見てて面白い”という意味で友人が言ってくれた言葉です。古き良き時代とか、別に懐古趣味で思っているわけじゃないんですが、でもやっぱりそこには濃い時間が流れていて、その濃い時間を仲間と共に過ごしたことが今、僕が会社を経営しているベースに確実になっていると思うんです。独立も、実際にゼロからのスタートでしたからまさしく冒険、チャレンジャーでした。今でもチャレンジャーのつもりだし、これからも常に何かにチャレンジしていきたいと思っています。一生ね。