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反経営学の経営−常磐文克・片平秀貴・古川一郎/東洋経済新報社

米国的な、目に見える、測定可能な事実から導く経営論の限界を示し
日本、東洋的なものの見方からの経営論という意味で
反経営学というタイトルになっている本。

米国流グローバルスタンダードが、正解とされる風潮の中
資本とその集積が企業間の競争の勝敗を分けてきたが
これからカギとなるのは、人的・知的資本であり
本書は、知をもとに置く、日本固有の精神文化・風土に根ざした
新・日本型経営を提示している。


米国では、顧客はマーケティング戦略を駆使すれば
コントロールできるものとされているが
日本では、商品の作り手である会社とそれを使う顧客は
商品を通じて対話をしながらお互いを高め合う
「一体」の存在である。
また、それは、会社と個人の関係についても同様である。

社員は米国流の経営論が想定するような
金銭的報酬最大化マシンでは決してない。
彼らを動機づけているのは、仲間とともに仕事が出来る喜びであり
1人では出来ない仕事を完成させる達成感であり
喜んだお客様から受け取る感謝の言葉だ。

などなど、特別目新しいことはないが
米国的なグローバルスタンダードに染まってきた人にとっては
経営や仕事そのものに対しての考えをフラットに戻す効果あり。

決して精神論として、表面的に捉えるのではなく
人と仕事、そして会社というコミュニティを
本質的に考えるきっかけとして捉えて欲しい。

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